群馬交通事故研究会
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群馬交通事故研究会とは
群馬交通事故研究会は、行政書士業務を通して交通事故の撲滅、交通事故被害者救済に寄与することを目的に、群馬県行政書士会に入会している行政書士を会員とする任意団体として平成12年6月に発足しました。
当研究会は月1回もしくは2回の研究会を開催して、自賠責保険の支払請求手続や事実調査に基づく損害額の算定について研究しています。
平成14年からは毎年9月に交通事故無料相談会を高崎市中央公民館で開催しています。
平成17年からは毎年9月に交通事故に関する無料講演会・交通事故無料相談会を高崎市中央公民館で開催しています。
平成24年からは毎年11月に、行政書士の交通事故業務の質の向上のために、行政書士向けの交通事故業務実務研修会を開催しています。
主なスケジュール | |
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3月 | 定期総会・記念講演会 |
9月 | 交通事故無料相談会 交通事故に関する無料講演会 |
11月 | 交通事故業務実務研修会 |
行政書士の交通事故業務
行政書士としての交通事故業務は、自賠責保険支払請求書を作成することおよび正当な損害額算定のための調査です。
書面による示談交渉ではありません。
※交通事故における行政書士の業務
- 自賠責保険支払請求書の作成
- 上記に関する相談
- 現場調査に基づく事故状況調査
- 医師との面談などによる医療調査
- 各種必要書類の取り付け
交通事故の被害に遭われた方へ 被害者が守るべき「3ヵ条」
- 怪我の治療はお医者さんまかせにしない。
- 相手が任意保険会社に治療費の立て替え払いはしてもらわない。
- 損害の調査・立証・算定は相手方任意保険会社まかせにはしない。
上記の3ヵ条は世間の常識に反することのように思えますが、世間の常識が正しいとは限りません。
3ヵ条はホントに非常識?
3ヵ条を読んで「怪我の治療はお医者さんにまかせておけば大丈夫でしょ?」、「こっちが被害者なんだから、治療費はすぐに加害者が払うのが当たり前でしょ?」、「こっちは被害者なんだから、加害者のほうが誠意をもって損害額を計算して賠償金を払うのが当然でしょ?」と思われた方もいると思います。でも、それはホントに常識なのでしょうか?
ちゃんと伝えないと伝わらない
交通事故で怪我をした場合に、その損害額の算定根拠になるのは、「怪我の内容(傷病名・部位・症状)と程度、その怪我にはどのような治療がいつまで必要だったのか」というお医者さんによる怪我の評価です。必要のない治療にかかった治療費は損害とは認められません。怪我の治療が必要なくなった後に仕事を休んだとしても休業損害とは認められません。つまり、怪我の評価=損害額なのです。ですから、正当な賠償を受けるためには、お医者さんに自分の症状をこと細かに伝えて、的確な診断・適切な治療をしてもらい、受傷当初から治療終了までの症状の経過を正確に書面にしてもらうことが大切なのです。
ここでいう書面とは、具体的には「診断書」や「診療報酬明細書」などのことです。「診断書」には主に「お医者さんによる怪我の評価」が記されています。「診療報酬明細書」には主に「どんな治療にいくらかかったのか」が記されています。「診断書」や「診療報酬明細書」は損害額を算定する上で、算定の根拠となる一番重要な証拠です。
お医者さんでも患者の痛みまでは感じることはできません。ですから、お医者さんに自分の症状をこと細かに伝えずに、ただ漫然と治療を受けているだけでは、自分の症状が正しく伝わらず、正しい怪我の評価をしてもらえないこともあります。
お金を出す人が主役になる
交通事故の被害に遭うと、通常はすぐに相手方任意保険会社(以下「保険会社」といいます。)が、被害者の受診したお医者さんでの治療費を立て替え払いしてくれます。(これを以下「内払い」といいます。)では、この内払いを受けると被害者にどのような弊害が生じるのでしょうか。
まず、保険会社は内払いと引き換えに、被害者に「同意書」へのサインを求めてきます。この「同意書」の趣旨は「お医者さんに対して、私の医療情報を保険会社に開示してもよい」といったものです。この「同意書」に被害者がサインすることによって、保険会社は被害者の医療情報をお医者さんから取得できるようになります。ここでいう医療情報とは、具体的には「診断書」や「診療報酬明細書」などの書面です。ですから、内払いを受けると、一番重要な証拠が被害者の目にふれることなく保険会社に渡ってしまうということになります。これでは被害者は、自分の怪我についてお医者さんがどのような評価をしているのかを確認することができません。
また、保険会社は「診断書」や「診療報酬明細書」などをお医者さんから取り付けて、被害者の怪我の内容や程度、治療経過をチェックして、まだ治療を続ける必要があるのかを判断しています。そして、もう治療の必要がないと判断すれば、内払いを打ち切るのです。保険会社から治療費を払ってもらえないと、被害者はもう治療を続けられないと思い治療をやめてしまいます。この世の中、例えば株式会社と株主のように、お金を出す人が決定権を握っています。ご家庭内でも、何かを買うとか旅行に行くとかいうことを決めるときには財布のひもを握っているひとにお伺いを立てますよね。ですから、内払いを受けていると、交通事故の怪我の治療についても、お金を出している保険会社に決定権があるかのように錯覚してしまうようです。しかし、本来、まだ治療が必要かどうかはお医者さんが判断することなのです。
保険会社のお客様は加害者です
保険会社は被害者の損害を調査して、証拠書類を集めて損害額を提示してくれます。しかし、保険会社はあくまでも加害者側であって、被害者の味方ではありません。ですから、被害者側に立った損害の調査・立証・算定はしてくれません。被害者が自分の主張を通すためには、自分でその主張の根拠を「調査・立証」しなければなりません。「調査・立証」というとなんだかとても難しいことのように思えますよね。ですが、先にも述べたように交通事故での怪我による損害の損害額の算定根拠になるのは怪我の評価です。ですから、的確な診断・適切な治療を受け、それを正確に書面にしてもらうこと、つまり、お医者さんに正しい怪我の評価をしてもらうことこそが「調査・立証」なのです。「こっちは被害者なのに、なんで自分で動かなければならないの?」とお思いかもしれません。しかし、交通事故賠償に限ったことではなく、何事も「相手まかせにしていては相手の都合のいいようにしかならない。」のです。
治療費は自賠責保険から回収できる
保険会社から内払いを受けずに怪我の治療を受けると、その治療費は自分で負担しなければなりません。もちろん、治療終了後には相手方に損害として請求して回収することができますが、相手方の自賠責保険に被害者請求をすれば、まだ治療中でも、負担した治療費を回収することができます。それから、一時的にではありますが治療費を負担しなければならないので、負担額を軽減するために健康保険を使いましょう。もし労災保険が使えるならば労災保険を使いましょう。労災保険を使えば、治療費の自己負担はありません。